初めての入院(21日目から30日目まで)



21日目<11月30日(日)雨> 

朝、以前読んだIBDニュースをもう一度読み直す。依然読んだときは他人事のような感じがしたが、病状が悪化していく体験記を色々読んだら、これは真剣に取り組まねばいかんと思った。厚生省の策定した治療指針によると緩解時の治療としてはエレンタール1200kcal、つまり4パックと800kcalの経口食プラスペンタサ3gとのことである。4パックだと100ml/hでは12時間だ。それは難しいだろう。ではどうするかだが、あるHPで紹介していたエレンゼリーが面白そうだ。これはクローン病の小冊子にも「ゼリーなどにして」と触れてあった。是非試してみよう。

11時からエレンタールを始める。今日もチューブは簡単に入った。準備にかかる所要時間は約15分。エレンタールが終わった1時までに奥田英朗の「マドンナ」 を読み終える。面白かった。☆☆☆入院中はこんな軽い話が気を紛らわせて良いかもしれない。12時ごろとエレンタールが終わった1時過ぎに2回排便。下痢。

イラクでの日本人外交官2人が殺された事件があった。足利銀行も破綻したし、ロケットの打ち上げも失敗した。しかも保険に入っていないとは。。。悪いことばかりである。

夜はどうぶつ王国面白奇想天外などを見た。

22日目<12月1日(月)雨> 
朝は久しぶりの採血3本。

9時ごろA先生を連絡が取れる。土曜日に貰ったものが、申請書に添付するものだとのこと。看護婦さんと行き違いがあったようだ。家内が保健所に無事提出。身体障害者手帳の申請書もついでに貰ってきてもらうように頼む。

10時すぎからエレンタールの準備を開始。今日は2パックに増やす。準備には昨日と同じ15分かかってしまった。結局、実際にまわし始めたのは10時半から。4時半に終了。

丁度1パック目が終わった1時半頃とその一時間後の2時半頃に排便。下痢。

テルモから小冊子「食事の楽しみ方ガイドブック」と「日常生活Q&A」が届く。

夜、消灯後に起こされ、A先生と話す。今朝の電話での言い方が悪かったという謝罪がしたかったらしい。そんなことなら最初から怒るなと言いたいが仕方がない。今朝特定疾患研究費申請(特疾申請)が出来たことの報告をし、明日の外出許可を貰う。

夜中も特に下痢はなし。

23日目<12月2日(火)晴れ> 
家内は朝、小学校に用事があるというので、朝一人でタクシーに乗って帰る。

後はインターネットでクローン病についての情報収集。英書を3冊オーダーし、IBDニュースを印刷する。

2時半頃病棟に帰り、直ぐにエレンタールを開始。今日も2パックを100ml/hで落とす。今日初めてエレンタールをしている最中、或いはした後に下痢がなかった。

保健所に電話し、もし特疾認定された場合の話を聞く。具体的には保健所の受付日以降の治療費しか還付されないとのことだが、それは支払いベースなのか確認する。答えは支払いベースではなく、実際の治療ベースであるとのこと。つまり保健所に受け付けられた日である12月1日以降にかかった治療費はいくらか病院に計算してもらう必要があるとのこと。

何か裏技はないかとケースワーカー室を訪問。難しそうだ。またケースワーカーによると千葉県は予算の関係で東京都などと比べ特疾や身体障害者の認定が厳しいそうである。加入している健康保険により高額医療費補助の制度があるので、保険証を持って又来るようにといわれる。

家で印刷してきたIBDニュースなどを読む。

夕方、A先生と話す。エレン1パックが終わったぐらいのときであったが、下痢がなかった旨を話したら、明日は3パックに増やそうということになる。

夜はさんまのバラエティを見る。

24日目<12月3日(水)曇り> 
朝、頼んでおいた保険証のコピーと千葉のCD患者会の住所を朝刊と一緒に家内が持ってくる。新聞を読んだあと、メールをチェックし、会社に連絡。

保険証のコピーを持ってケースワーカー室を訪問。その場で健保に電話し、x万x千円以上の高額医療費は全て還付されるとのこと。だったら特疾でも所得による支払い限度によっては、経済的には国が払うのか健保が払うのかという違いしかないことになる。

夕方4時半頃にA先生来室。会社に提出する診断書を依頼。会社ではいつ頃までの加療が必要かを診断書に書いて欲しいとのことだったので、先生と相談のうえ、明日付で今後2週間の入院、更に2週間の自宅療養が必要と書いてもらうことになる。

今後の治療スケジュールについては明日はもう一度3パックをやり、4パックを2日ぐらいやってから、5,6パックを1日づつで1週間ぐらい(合計では5日だけど)、あとはエレンタールを徐々に減らし、減らした代わりに流動食、3分粥と5分粥というのを1週間ぐらい、合計であと2週間ぐらいで順調に行けば退院となるだろうとのこと。

エレンと経口食とのスライド療法について、症状が悪化したときというのはクローン病の場合、相当悪化しており、その時にエレンを増やすなどではだめなのではないかと質問した。A先生は患者がこの病気に敏感になれば、相当悪化する前に何らかの兆候を嗅ぎ取ることが出来、経口食を減らして対処できるとの答であった。

A先生が見ている患者の中には小腸型が殆どで残りは大腸・小腸型で大腸型は居ないとのことである。その中でも60代の男性はエレン3パックをきっちり毎日入れており、やはりその人が一番緩解期を維持できているとことから、エレンを入れることが一番であるとの考えであった。

エレンは11時に始めて8時に終わったのだが、終わって暫くしてから右下腹部に痛みを感じた。その痛みは翌朝まで続いた。

今日は部屋には一人だけでちょっと心細かった。

25日目<12月4日(木)晴れ> 
久しぶりの採血3本。
朝家内の迎えで帰宅。クローン病関連の個人のHPを探すなどし、シャワーを浴びると2時である。

病院に戻り、エレンタールを始める。3パック、900mlなのを忘れており、3時に始めたので終わるのは12時になる。失敗。明日4パックになるなら夜に移行しよう。

4時頃から熱っぽくなる。36.9度。寝る前の9時には7度6分に。

オール読み物に掲載されていた奥田英朗「教授のズラ」が面白かったので、そのシリーズで既に単行本になっているイン・ザ・プール をアマゾンで購入し、読み始め、余りに面白くてあっという間に5分の4読み終わる。

8時過ぎにA先生が上がってくる。昨日エレンタールを入れ終わった後に下腹部に痛みがあり、痛みは翌朝まで残ったこと、4時ごろから熱っぽくなり、今は7度6分の熱があることを伝える。お腹を押さえたり喉を見たりした結果、「風邪ではないか」ということ。お腹も特に問題ないとの診断で、明日は予定通り4パックに増やすことになる。また今朝の採血は看護婦のミスだったことが判明。先生は来週月曜日の指示を出したのに、看護婦が今日と勘違いしたことが理由だとのこと。これまで採血は全て週初にしか出していないのだそうだ。結果も残っていないため、お腹のこともあるので明日採血しようと言うことになった。

夜はアジアカップの日本対中国を見ていた。

26日目<12月5日(金)曇りときどき小雨> 
今朝も採血3本。

朝検温で体温を測ったら熱が下がっており、6度7分だった。家内が届けてくれた新聞を読んだ後、メールチェックをし、イン・ザ・プールの残りを読みきる。何故か今日は体がだるい。

だるさが続くため、体温を測ると、7度ぐらいだったので、カーテンを閉めて寝る。3時頃まで寝た後、体温を測ると7度3分、4時には7度6分まで上がった。その後、体温が下がり始め、6時過ぎには7度2分まで下がったが、7時には又7度4分に上がった。

今日からエレンタールは4パックに増やし、夜睡眠中に入れることにする。

6時近くになって家内が障害者手帳の申請書を持って来た。手術をしていない小腸障害の場合には経腸栄養を始めてから6ヶ月の経過を見なくてはならないとのことなので、直ぐに申請できなさそうである。

7時過ぎ頃からエレンタールの準備をしているとA先生が来室。血液検査の結果はCRPは0.1から0.8に上がっているが、他の貧血などの数値が上がっていないことから、CRPの上昇は風邪が原因だと思うとのこと。明日はもう一度4パックを入れて、自分の判断で日曜日に5パックに増やしていいとのことであった。
A先生が帰った後に、エレンタールの準備を続け、8時15分前から開始。

27日目<12月6日(土)曇り> 
6時に看護婦さんが来たが、エレンタールが終わる7時45分までは寝たまま。7時40分に終了の警告音がなる。何故か喉に何か引っかかっている感じがし、吐き気を催す。我慢できなくなり、トイレの洗面所で吐くがエレンタールが戻ったというより、げっぷが出てきた感じである。少し胃液も混じっているか?戻したら喉の違和感もなくなったので、チューブを取り出し、終了。

終了後、2回程トイレに行く。下痢。

メールチェック。

昨日に続き昼過ぎから熱っぽくなり調子が悪くなってきた。熱を測ると7度2分ぐらい。カーテンを閉めて横になり、3時過ぎまで寝る。

クローン病の原因は自律神経の乱れにあるようなので、自律神経を整える方法を模索するため、「自律訓練法の医学」を読み始める。これは役に立たない。

7時からエレンタール4パック。今日はりんご味。昨日のオレンジ味にあまりいい思い出が残らなかったので、りんご味で良し。

夜は久しぶりにABAを見る。寝る前に熱を測ったら6度5分まで熱が下がっていた。

28日目<12月7日(日)晴れ> 
昨日は夜中に2度ほど小便のために目がさめた。エレンタールを入れていると夜中でも小便に起きるようになるのだろうか?7時に終了し、8時ごろに下痢2回。

熱も朝としては6度5分と高いが調子は悪くない。

迎えに来た家内に連れられて帰宅。インターネットでの情報収集とパソコンのチェックで時間が過ぎてゆく。父と母が訪問。自宅に居る間も調子がいい。ただし、喉の痛みはあるが。ほぼ1月ぶりに入浴した。昨日点滴の針を抜いたため、左手に何もついていなかったので、何も気にせず入浴できて気持ち良かった。

4時半に病院に戻った後、エレンタールを開始。今日から5パックである。エレンタールを始めた後、熱を測ってみると7度2分。まだ微熱は続いているようだ。点滴は6時間掛けて落とす指示があるとのことで夜の11時まで。

夜は日本対香港のサッカーを見た。

29日目<12月8日(月)晴れ> 
朝採血3本。6時より前に来るのは止めて欲しい。

エレンタールは8時に終了。1時間後に下痢1回。エレンタールを始めてから、おなら、小便、大便がとても臭い。排便は朝9時ごろとお昼頃に1回づつ。

点滴は何時からはじめてもいいとのことだったが、直ぐに始めて貰う事に。4時まで6時間。

バカの壁」を読み始める。

今日も5パックなので4時過ぎからエレンタールの準備を始め、4時半頃開始。

婦長さんが先月下半月分の入院費請求を持って来たので、内科部長の総回診は止めてもらいたいと要望。担当医でもないのに研修医を引き連れてきて、体に触っていくのは自分がモルモットになったかのようで耐え難いと言った。伝えておくとのこと。

夜A先生来訪。今日の採血結果はCRP0.7と前回の0.8から若干下がった。熱は6度5分から8分と下がった。まあ風邪の影響だろうという診断で、今日で点滴は終わり、明日からエレンタールを6パックに増やすことになる。

30日目<12月9日(火)晴れ> 
昨日は夜中に起きたのは12時に一度だけ。点滴を止めたせいかもしれないが、久しぶり。熱は相変わらず6度8分とやや高いが、体のだるさなどは全くない。

午前中はメールチェックとバカの壁を読む。何百万部も売れるほど簡単な本ではないと思うが、面白い。☆☆☆☆

下痢は8時、9時、1時過ぎと3回。

午後1時からエレンタール。今日から6パック、注入時間は18時間なので終わるのは翌朝7時である。鼻に管を注入している途中で月に1回の大掃除が始まる。そんなの聞いてないよ。焦って入れたためか気管に入ったようで、噎せてしまう。掃除のおばさんが気を利かせて、「後で来るね」と言ってくれた。ゆっくり入れたら、ちゃんと入った。

昨日とか今日はこの冬一番の寒さだそうだが、病室の中にいると全く分からない。

5時半過ぎにA先生と会う。7度2分まであった微熱については、夕方なら気にすることはないとのこと。予てから考えていた小腸患部の造影をデジカメで取りたいと言ったら、顔色が変わり、何でそんなことをしたいのか理解できないと言われた。自分の体の病気がどうなっているのか記録としてとっておくのが、そんなに悪いことなのだろうか?なんかはっきりは言わないがセカンドオピニオンを取りに行かれたりしたらいやだと言う感じだ。結局顔色は変わったままで、もしもどうしてもと言うなら御勝手にという言い方をされたので、もう少し考えてみると答えておく。この先生ももう少し感情のコントロールが出来ると信頼感も相当上がるのになと思う。こういう対応になったのは、頼んでいた特疾研究費申請以来、2度目だが、どうなんだろうか。頭の中を他の病院の有名な先生の名前がよぎってしまう。まあ頭を冷やして明日「やっぱりいいです」と歩み寄ろう。医者と患者との関係ってどうやっても対等にはならないのだろうなと思う。明日のエレンタールを何パックにするか、確認を忘れた。

夜はさんまのバラエティを見て、いやなことを忘れる。

つづき

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