ブックレビュー

情報収集はインターネットでもできるし、またインターネットの方が詳しく、且つ早く最新の情報を手に入れられる。しかし、人によってはモニターで或いはプリントして長い文章を読むのは苦痛だったり、通勤時間を活用したいという人も多いと思う。また私のように一度読んでも頭に入らないので、何度も読みたいから本の形式がいいと言う人もいると思う。ということでこれまでに読んだ本のレビューです。

IBD関係の本は一般の書店ではお目にかかることはほとんどないので、手にとって見ることが出来ない。そのためアマゾンなどのブックレビューを頼りにと思うがなかなかレビューが無かったりするので、だったら自分で書いてみようと思った。古い本も結構あるが、古本屋でもあまり見かけないので、アマゾンやEasySeek、ヤフオクで探すことをお勧めする。★5つが最高にお勧め。


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★★★★★

殆どの本が潰瘍性大腸炎とクローン病を一緒にしてIBD患者向けに書かれているのに対し、この本はクローン病患者に的を絞っているところが良い。実際クローン病患者から見ると潰瘍性大腸炎は近そうで遠い病気だと思う。例えば喫煙はクローン病にはとても悪いが、潰瘍性大腸炎には良い影響があると言われている。IBD患者向けに書かれている本を読んでいると「これはクローン病患者には当てはまらないのに」と思うことが結構頻繁に出てくる。この本は発刊以来、既に古くなってしまったが、クローン病患者には必読書と言えるかもしれない。前半は東の社会保険病院と並び有名な西の兵庫医科大の医師を中心に執筆されたクローン病についての原因、症状、治療などについて書かれている。最初不安になる検査のことについても書かれている。後半は兵庫医科大の患者会を中心に執筆されたQ&Aと体験談。さすがに同病者は同病者のことを知るというか知りたいことが書かれている。読後に患者の立場に立って書かれているという印象が強く残った本である。


★★★

最初の3分の2がIBDとはどのような病気かということの説明である。一通りの基本的な説明で特に目新しいことが書いてあるわけではなく、この前半部分はネットで見ることの出来る情報であり、この本を買う理由とはならない。この本の残りの3分の1を占める体験談が圧巻である。この体験談を読むためにこの本を買う価値はあるかもしれない。しかし、他の殆どの本と同様この本も潰瘍性大腸炎とクローン病の両方の患者向けに書かれているので、クローン病患者にとっての情報量としては半分である。


★★★

題名は「潰瘍性大腸炎とクローン病」ですが、出てくる事例は潰瘍性大腸炎のケースの方が圧倒的に多く、クローン病患者としては不満です。しかし、この本の良いところは、IBD患者の視点に立って書かれているところです。例えば、第4章に「確定診断が付いた後の手続き」という章があります。ここで特定疾患医療給付証の申請をすぐにしなければならないと紹介しているのですが、他の本でこのような書き方にあったことがありません。なぜ直ぐにしなければならないかというと、給付をしてくれる基準日というのが確定診断が下りた日ではなく、保健所で受け付けた日なのです。このことを知らずに申請が遅れると本来は受け取れた給付金が受け取れなくなり、経済的に大きなダメージがあります。このことを初めとして、ステロイドや免疫抑制剤の副作用や食事についても患者として知りたいことが比較的詳しく書かれています。


★★★

直ぐ上で紹介した本の続編です。


★★★

クローン病関連で最近一番売れているようなので、読んでみたが特に目新しい内容はない。オルタナティブ療法やサプルメントについての情報を期待していたが、期待はずれだった。主な情報内容は日本で出版されている本と同じと考えてよい。


★★★★

食べられるもの食べられないものについての情報は日本語でも充実したものが得られるが、サプリメントについてはさすが2人にひとりが何らかのサプリメントを摂取している米国らしく、非常に充実している。

サプリメントは同じ成分でも色々な会社から出ているため、具体的な商品名を出して批評してあったらもっと良かった。


★★★★

免疫学の亜流(?)ばかりHPで見ている気がしたので、本当の免疫学を一度学びたいと思った。しかし、免疫学の教科書を読むのも難しいし、と思っていた時に、書店で免疫学者である東大医学部名誉教授の多田富雄に南伸坊が免疫学を教えてもらう本を見つけた。南伸坊の「個人授業シリーズ」の一つである「免疫学個人授業」だ。

エイズがどのように発生したか、風邪がどのように直っていくのかなどを免疫学の面から分かりやすく解説しており、読んでいて思わず「へ〜」と何回も言ってしまうような本であった。免疫に出てくることば「リンパ球、顆粒球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、Tヘルパー細胞」などなど色々な言葉についても分かりやすく解説してある。まあ読んだ後に忘れてしまう言葉も多いが。

200ページ、380円の薄い文庫本なので直ぐに読めてしまう。免疫学素人が最初に読むのに最適。


★★★★★

クローン病は現在原因が特定されていない難病だ。しかし、厳密な発生機構が不明なだけで、免疫異常が関与した、自己免疫疾患であると言われている。

東大名誉教授である上野川氏は「免疫と腸内細菌」で、クローン病を含む炎症性腸疾患発病のメカニズムは自己免疫疾患であり、明らかになっていることとして次のように書いている。

「(炎症性腸疾患の)患者には健常な人に比べて免疫調整物質の以上が見られ、(IL10と呼ばれるサイトカンを含む)インターロイキンが多く放出されています。」(レミケードによる治療はまさにこのサイトカンを押さえてしまうことだ)()内はいづれもクローン40による注。

「例えばクローン病においては、各種インターロイキンの放出の増加が認められています。その結果、マクロファージが活性化し、活性化したマクロファージは腸内細菌に対しても反応するようになります。本来、腸内細菌のような共生細菌に対してはマクロファージは攻撃をしないはずなのですが、認識機構に何らかの異常が起きたものと考えられます。」

「クローン病についてもビフィズス菌の減少が認められています。有用菌といわれるものが減少して、健常状態の腸内細菌のパターンから外れています。有益菌の減少と有害菌の増加が、腸管の免疫系に大きく影響していることがうががわれます。」

このようにクローン病患者の免疫機能は異常をきたしている。

しかし、免疫機能がうまく働いていないから、腸内細菌のバランスが悪いのか、腸内細菌のバランスが悪いから、免疫機能がうまく働かないのかはまだ分かっていないそうだ。

著者はどちらの可能性もあると考え、出来ることとして腸内細菌のバランスをとるためにプロバイオティクスやプレバイオティクスを採る事が免疫系を活性化させる方法の一つだと書いている。

本書は表題のようにクローン病患者が是非知っておきたい「免疫」と「腸内細菌」の関係について、現在分かっていることを優しく説明しており、クローン病患者が必読だと思った。

本書を読んで毎日真面目にヨーグルトを食べようという思いを強くした。



★★★

人には自ら治る力がそなわっている。その治癒力を活性化させることで病気が治ると説く有名な医学博士アンドルー・ワイルの世界的ベストセラー「癒す心、治る力」を読んだ。

彼はまず呼吸法から説き、飲み水や食べ物の重要性を説く。中国の医食同源と同じ考え方である。(彼は「ワイル博士の医食同源」という本も書いている)

このように基本的な考え方は日本人にも馴染み易いと思うが、具体的な食事のメニューはやはりアメリカ人。これってどんな食事というものが多い。

これを読んで実践すればクローン病が治るとは思わないが、悪化させないための知識には成ると思う。

ちなみに翻訳者は日本ホリスティック医学協会副会長でもある上野圭一氏。多分ワイル博士に感化されて「代替医療―オルタナティブ・メディスンの可能性」を書いたのだと思う。

ちなみに釜揚げうどんを食べる時に生姜を沢山入れるようになったのは、この本を読んで生姜に消炎作用があることを学んでからである(笑)。


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