(IBD患者の)食事と栄養


炎症性腸疾患(以下IBD)の患者さんにとって食事と栄養は日々の関心事です。患者さんの中にはIBDは過去の食生活が原因で、治療もまた食生活の改善によって可能となると信じておられる方もいます。しかしながら、その考え方は単純すぎるような気もしますし、また医学的、科学的にも証明されていません。食生活の改善は確かに症状を和らげますし炎症減退の根本的な過程ではあるかもしれませんが、普段の食生活が炎症を起こす原因とは考えられていません。

クローン病や潰瘍性大腸炎(以下UC)は消化管の病気である故に、食生活や栄養面で疑問をもたれるのはごく自然なことといえます。 はじめに、過去の食生活がIBDを引き起こしたと見られる証拠がまったくないと言ったら、皆さん驚かれるに違いありません。
しかし、一度IBDを引き起こしたら、それ以降は何を食べるかで症状を和らげたり、治癒を促したりすることも確かです。

ここで紹介する情報は患者さんやその家族に対する一般的な食事方法です。これらは近年の研究成果に基づいて紹介しています。研究がさらに進むにつれ、栄養とIBDの関係がさらに明らかになるのは間違いありません。


クローン病やUCがどのように消化機能と干渉するのか?

IBD患者と食生活がどのように関係するのかをわかって貰うために、まず簡単に体がどのように食べ物を消化するのか説明しようと思います。

消化が本当に行われるのは小腸で、胃を通過したすぐのあたりです。小腸では肝臓とすい臓から出される胆汁と呼ばれる消化酵素と食べ物を混ぜ合わせます。この「混ぜ合わせ」は小腸の壁の筋肉を激しく動かすことで可能になります。消化された食べ物は小さな分子に分解され、小腸の表面から栄養分を吸い取り、血管を通って体全体に分配されます。水分の多い食べ物の残りカスや分泌物は小腸では消化されず、大腸に送られます。小腸で追加された水分が大腸で吸い取られます。これは水の節約のようなもので、リサイクル機能のようなものです。硬くて消化し切れなかった食べ物は大腸から送り出され、便として排出されます。

小腸が炎症を起こしている時、−クローン病の特徴ですが− 腸の消化機能が低下し、食物からの栄養を吸い取る機能も低下します。栄養も、また消化されなかった胆汁塩も大腸に流れてしまいます。この量については小腸の症状がどれだけ重いかで大腸に流れる胆汁塩の量も変わります。
これがクローン病患者さんが栄養失調に掛かったり、食欲が減退したりする原因のひとつです。さらに消化不良のまま流れた食べ物が大腸に行くことで、たとえ大腸そのものに炎症がなくても、水分補給機能に影響を与えます。故に、クローンの症状が小腸に影響を与えたとき、下痢や栄養失調の原因ともなります。
大腸が炎症を起こしてしまうと、さらに激しい下痢に襲われることもあります。

UCのばあい、大腸だけに炎症が起こり、小腸は通常の機能を果たし続けます。しかし、炎症を起こした大腸が水分補給機能の低下を起こすため、激しい下痢を起こすこともあります。

IBDは食物アレルギーが原因なのですか?


答えはNOです。いくつかの食べ物にアレルギー反応を起こす人もいますが、クローン病もUCも食物アレルギーとは無縁です。IBD患者さんは食事を取ることで症状が出るので、食物アレルギーと考えがちです。

特定の食物がIBDの炎症を悪化させるか?


これもNOです。いくつかの食物は症状を悪化させるかもしれませんが、腸の炎症と直接的にかかわりがあるという証拠が見つかっていません。もちろん、食中毒や赤痢などを引き起こすような腐った食べ物がIBDを悪化させることがあります。

IBD患者用の特別な食事は存在するか?

IBD患者さん全員に効果のある特定の食事やメニューはありません。栄養摂取は個人個人で差がありますので、各個人に合わせて−どのような症状か、どこに症状が起きるかなどを元に、食事を組み合わせるべきです。またこれらの病気は変化を伴いますので、食事もそれらの変化に合わせて変えるべきです。キーポイントはバランスの取れた健康的な食事です。勿論、健康な食生活は誰にでも望ましいことですが、特にIBD患者にとっては重要なことなのです。

最近話題になっている理学修士のエレイン・ゴッシャルの著書「悪循環を断ち切る」の特定炭水化物による食事療法(Specific Carbohydrate Diet, SCDTM)に関する質問が患者さんから寄せられています。今のところ、この食事療法は患者さん自身の体験のみに基づいて支持されており、系統的研究によるものではありません。UCやクローン病治療に、広く全般的に効果がある治療方法かどうかを見極めるには適切で厳密な研究が必要です。SCDTMそのものは、栄養的にアンバランスではありませんが、患者さんからはこの方法を維持し続けるのはとても厄介だと良く耳にします。IBDの患者さんの中で、(この食事療法を実行し)消化しにくい炭水化物を減らすことで腹部膨張感、ガスの発生、腹痛、下痢などの症状が減ったと報告があることも事実ですが、そういった症状を和らげるのと、炎症を低下させたり病状の進化に影響を与えるのとはまた別の問題です。
セリアック病患者の為のグルテン抜き食事療法のように、すでに医学的にも証明されていて、しかも病状そのものの進行にも影響するのとは違い、このSCDTMには医学的な裏づけがなされていません。
結論としては、こういった治療法を試すことに問題はありませんが、今まで続けている治療法(服薬など)は止めずに継続し、かかりつけのお医者さんとよく相談することです。

どんな食べ物を避けるべきか

繰り返しますが、特に避けるべき食べ物や、推奨する食べ物など決まりはありません。ただし、ある一定の食べ物が消化不良を起こすような場合はそれらを避けるべきです。重要なのは、ある特定の食物アレルギーなのか、もしくは不耐症なのかをはっきり見極めることです。ほとんどの人は特定の食物にたいして過敏なのであり、本当に食物アレルギーがあるのではありません。どの食物に対して過敏なのかは、一般の血液検査による食物アレルギーや皮膚テストよりも、それらを避けることではっきりします。どうやって過敏な食物を避けるかは色々な本で紹介されていますが、主にはやはり、何を食べてどういう反応を示すか記録に残しておくことです。

事実、食事記録はどの食物が過敏に反応するかが明確になるだけではなく、毎日の栄養バランスが適切、的確かどうかを判断するにも大変役立ちます。日常の食事には一定のカロリー、たんぱく質、そして栄養分が必要です。食事記録を読み返すことにより、あなたの担当栄養士は年齢、性別、体格に応じた必要摂取量を摂取しているかどうかが判ります。もし、摂取していなかったら、栄養士はあなたの食事メニューを修正する方法を教えてくれるので、あなたの栄養状態は向上するでしょう。それは食事の量を増やすことであったり、食事の内容を変えることであったり、サプリメントをとることであったりするでしょう。

重要なことは食事の量が健康的な食事ではないということです。日々の食事には適切なカロリー量、たんぱく質、そして栄養素を含める必要があります。またありとあらゆる食分類からバランスよく食べる必要があります。牛豚肉、魚、鶏肉、乳製品は(もしこれらに対して過敏でなければ)重要なたんぱく質の源ですし、パン、シリアル、スターチ(澱粉類)、果物、野菜などは炭水化物、マーガリンや油は脂肪分類です。

IBDに優しいメニュー(英文)

IBD患者は水分補給に注意するべきか?

はい。慢性の下痢が続いている場合は脱水症状の危険が常にあります。もし水分を取っていても下痢が続くもしくは悪化するようでしたら、腎臓機能に問題があるかもしれません。クローン病患者やほかの下痢を伴う症状をお持ちの患者さんの間では、腎結石を起こす確立が増えています。さらに脱水症状や塩分低下による倦怠感も出てきます。こうした理由から、IBDをお持ちの患者さんはたくさんの水分を、夏場など皮膚からの脱水症状が起き易い時期には特に、摂取すべきです。どれくらいの水分を取る必要があるか、の目安としては、体重1ポンドに対して1.5オンスの水分が目安です。例えば、体重が50Kgの人の場合は約1.5Lの水分-グラスに8杯と4分の3−を一日に取る必要があります。
一気にたくさん飲むよりも、口に含むような水分補給を心がけてください。一気飲みすると消化器系にたくさんの空気を送り込むことになり、不快感を伴うこともあります。

栄養摂取はIBD患者には特に重要か?

もちろんです。IBD特にクローン病は小腸に炎症を起こす為、栄養摂取に障害が起こりやすい。その理由として、

いい栄養摂取が健康な体を維持する秘訣のひとつですので、栄養摂取に特に留意してください。なるべく多くの栄養分を摂取するよう努力することがIBDをコントロールする原則ですが、その主な理由として、


栄養摂取がどのように成長に影響するのか

思春期以前にIBDの症状が始まった若い方の中には成長が遅れている方もいます。食事を十分に取らないことで成長過程を遅らせることにも繋がります。故に栄養たっぷりの食事を取る習慣を付け、適切なカロリーを摂取することはとても重要です。薬物治療や、また悪化した場合の手術による炎症部分の除去といった手段が成功裏に終わるのは患者さんが適切な食事を取り続けることで可能となります。

食後の腸の痛みを減らすには何かいい方法があるのか

再燃時は食べることが即座に腸の不快感や痛みを引き起こしたりします。これらの症状を和らげる方法がいくつかあります。

しかしながら、こういったガイドラインを守っているにもかかわらず食後、おなかの痛みを訴える方もいらっしゃいます。こういった場合、薬物治療で痛みを和らげることもできます。例えば、プレドニゾン(消炎剤)やほかのステロイド(抗炎症薬)が炎症を和らげ、腸の働きを正常に機能するよう働きかけます。特に症状が軽い場合は鎮痙薬や下痢止めなどを食前15-20分前に服用することも症状を和らげ、栄養状態を保つのに役立つこともあります。こういった薬の服用は症状が重いときには控えてください。

低残渣低繊維質食とは?

クローン病の3分の2の人に小腸下部(回腸)が狭窄が見られます。この症状には低残渣の低繊維質食もしくは特別な流動食が腹部の痛みやほかの症状を和らげるのに適しています。低繊維質にすることで、便のなかに「腸を引っかく」繊維質を残さないようにするのが目的です。この「引っかく繊維質」には生のフルーツ、野菜、コーンの皮やナッツなどが含まれます。IBD治療の専門栄養士がこういった食事療法を必要に応じて処方してくれます。こういった食事療法は狭窄を引き起こしている炎症が薬物治療が効果を示すまで、あるいは外科手術により取り除かれるまでの一時的なものです。
重要なのは、こういった食事療法にとらわれ過ぎないということです。こうした制限はバラエティーに富んだ、又栄養バランスの取れた食事をとることを難しくしてしまうからです。

ファーストフードは食べられない?

IBDを抱える子供は特に、栄養を考えた食生活を送るのに苦労します。親はファーストフードに健康食などないと思いたいところでしょうが、実はそうではありません。ファーストフードの中にもカロリー以外で必要な栄養分を含んだものもあります。ピザを例に挙げてみましょう。チーズはカルシウム、たんぱく質、そしてビタミンDが含まれています。トマトソースにはビタミンAとC、そしてピザ生地にはビタミンBが入っています。同じようなことがハンバーガーやチーズバーガーなどにも当てはまりますが、これらの食べ物は共通して高脂質、高塩分のものもまた多いのです。ミルクシェークやアイスクリームはカルシウム、たんぱく質、高カロリーなど、良い栄養補給食です。乳糖不耐症である場合は乳製品を取る前に、ラクターゼ(分解酵素)の錠剤を食前に取ることでこの問題を解決できます。

IBD患者は食べ物を普通に消化、吸収するのか?

大体は、そうです。
大腸にのみ炎症が起こる患者さんの場合はそうだと言えます。クローン病患者さんは小腸に炎症が起こる為、消化機能に問題が出ます。たとえ十分な量を食べていても栄養を吸収していない場合もあります。事実、クローン病患者さんの4割が炭水化物を適切に吸収していません。そういった患者さんは重要な栄養の摂取不足のほかに、(炭水化物を取ることで)腹部膨張感、ガスの充満、下痢なども体験することがあります。脂肪分の吸収低下がクローン病のもうひとつの問題点で、患者さんの3割がこの問題を抱えています。回腸をすべて切除してしまっている患者さんに特にこの問題が顕著に見られます。消化機能にどの程度問題があるかはどれくらい小腸が病んでいるのか、また、切除したのかどうかに因ります。もし回腸部分の末端1−2フット(訳注:30−60cm)が炎症を起こしているのであれば、ビタミンB12以外の栄養素は全て吸収出来ていると思われます。もし回腸部分の2−3フィート(訳注:60−90cm)かそれ以上の範囲にわたって炎症を起こしている場合は、脂肪分をほとんど吸収していない可能性があります。もし小腸上部が炎症を起こしている場合はクローン病の(栄養)吸収不良はかなり激しく、たくさんの栄養素、ミネラル、ビタミンなどが吸収されない状態となります。IBD治療薬で特に5-ASA製剤(アサコールやペンタサなど)は不妊や癌等を予防すると言われている葉酸の吸収を妨害してしまうこともあるので、葉酸の補助食を摂取するようお勧めします。

ビタミン補助剤は摂取すべきか?また、何を選ぶべきか。

あくまでも、各個人の病状と部位によって、経口する種類などを決めるべきです。先に述べたようにビタミンB12は回腸の末端部分で吸収されます。回腸炎を持つ人(回腸型クローン病)や腸の手術を受けたことのある人などは普通の食事からはB12が吸収されない場合があるので、補助食としてB12を摂取する必要があります。吸収不足をおこしている場合、(血液中のビタミン含有量にて判断出来る)B12を毎月筋肉注射にて摂取することもあります。葉酸(別のBビタミン系)吸収不足は治療薬スルファサラジンの副作用としても起きることもあります。その場合、1mgの葉酸の錠剤を毎日摂取すべきです。慢性IBD患者さんはマルチビタミンを定期的に摂取することも大事です。ひどい栄養吸収不足に陥ったり、腸の切除などを行っている人には特にビタミンDの摂取が必要です。クローン病の68%の人にビタミンDの吸収不足が見られます。
ビタミンDは骨の強化とカルシウムの吸収に大きな役目を果たしています。ビタミンDの摂取量は(日光時間が短い国の人だと)1日800I.U.が理想です。ビタミンA, E, K, と同じくビタミンDも脂溶性ビタミンですので、水溶性のものと違って、吸収されにくくなっています。したがって、これらは錠剤よりは液体状のものの方が体内吸収されやすいです。


ミネラルで特に摂取すべきものは?

ほとんどのIBD患者さんにはミネラルの吸収不足は見られません。しかし、UCや大腸性クローン患者さんの間では鉄分不足になるのが一般的です。小腸に病状がある人には鉄分不足はあまり見られません。これは大腸に炎症をおこしたり潰瘍が出来たりすることで血液不足になるからです。血液中の鉄分含有量は簡単に測定でき、もし不足していたら(貧血症ではないのなら)鉄分の経口の錠剤か、液状のものを服用します。通常は300mgを1日1−3回に分け、患者さんの耐性に合わせて量を制限してください。鉄分の摂取は便が黒くなりますので、腸内部の出血と間違えるときもあります。

ほかには、ポタシウムやマグネシウムなどが上げられます。嘔吐や下痢をしている人や、プレドニゾンを服用している人の間では、ポタシウムの吸収不足が考えられます。ポタシウムも錠剤などの補助剤があります。慢性の下痢を起こしている人や、小腸に炎症が起きている人、また手術でかなりの腸を切除している人にはマグネシウムの摂取不足が起こります。

微量元素もまた、体内に微量吸収される栄養素です。微量ですが、大事な生物学的機能を果たします。クローン重病患者さんの中には、これらの摂取不足に陥る人もいます。

IBDのカルシウム摂取不足と骨粗鬆症

IBDに関連して栄養素欠乏するものの内のひとつに、カルシウムの欠乏、もしくはビタミンDとカルシウムの欠乏が上げられます。IBD患者さんの中には乳糖不耐症の為(もしくは不耐症と思っている為)、日ごろから乳製品を避けるためにカルシウム摂取量が自然と制限される人もいます。また、小腸に病変があるか小腸を切除した為、カルシウムを十分に摂取していても、吸収されていない人もいます。
IBD治療薬が骨の健康を害する場合もあります。長期のプレドニソンや他のステロイド剤などは、新しい骨を作る工程を遅め、古い骨を壊す工程を早めてしまったりします。これらの薬はカルシウム摂取の妨げとなることもあります。ステロイド使用に加え、クローン病そのものが骨を薄くしたり、骨粗鬆症に繋がることが判っているので、骨密度検査が必要です。

もしプレドニソンの使用が止められない場合は服用量を減らしたり、1日置きの服用にすることで、骨粗鬆症に歯止めが掛けられます。最低1500mgのカルシウムを1日3回に分けて、食物からでも補助剤からでもいいので、毎日摂取することを心がけてください。ビタミンDも合わせて摂取することをお勧めします。

今、更年期による骨粗鬆症の治療がIBDのために起こる骨粗鬆症に効くのかどうか、研究が進んでいます。Fosamax?のようなビスフォスフォネート、カルシトニン、フッ化物がそれに当たります。


栄養療法とは?

IBD、特にクローン病は栄養状態が良くなることにより症状が和らぐので、栄養豊富な流動食を直接胃や腸に流し込むことが必要でしょう。
経腸栄養療法として知られるこのタイプの成分栄養剤摂取は鼻からチューブを通して夜間中胃に直接栄養を送り込むものです。これは経鼻チューブと呼ばれます。これは患者さんが寝ている間に確実に栄養を摂取、確保する方法です。朝起きたらチューブを外せるので、日常生活に支障が出ません。この方法だと、1日中、必要な栄養素がきちんと摂取出来、なおかつ、好きなものを(制限なしでとはいいませんが)食べられるのです。

経腸栄養療法は胃婁(いろう)増設によっても行えます(Gチューブ)。これは手術で胃の壁に穴を開け、チューブをさし込み、そこから直接(成分栄養剤を)を流し込むものです。この栄養摂取は通常夜間に行ないますが、日中でも時折の使用が可能です。患者さんの中には、鼻からチューブを入れる方法が不快感を伴う為、こちらの方法を取られる人もいます。

完全静脈栄養療法は通常、胸の大きな血管に通されたカテーテルから栄養成分を送り込みます。これは腸を通り越す為に、腸管の安静がはかれますが、経腸栄養療法よりも複雑で高価な方法に加え、使用にはトレーニングが必要となります。


IBD栄養治療で何か進展は?


食べることで腸自体が自然治癒していくことを促すというのが、IBD治療のひとつの新しいコンセプトです。また、それに関して色々な研究や治験が行われています。栄養療法や補助食に含まれる魚やフラックス種油などはIBDの炎症を和らげるのに使用され続けています。複雑な炭水化物(オオバコ種子など)は小腸では消化されず、大腸内の短鎖脂肪酸を作りだす菌を刺激し、こういった脂肪酸は大腸の粘膜を作る為、大腸の炎症低下に繋がります。

他には、最近IBD治療として注目され始めたプロバイオティクスの使用が上げられます。プロバイオティクスは良い菌(善玉菌)で、もともと皆さんの腸に住んでおり、腸溶性の菌のバランスを整えます。ラクトバチルス菌や生きた菌を使ったヨーグルトも腸の回復に役立ちます。この栄養療法や補助剤の使用についての研究はまだまだこれからの課題です。

ミネラル(セレニウム、カルシウム)やビタミン(葉酸)また、薬物(5−ASAなど)と、癌の科学的予防法はまだまだ発展途上にありますが、これからもっといろんな研究結果が見られることになるでしょう。

最後に、食事と栄養の取り方そのものがIBDを引き起こす主な理由ではないけれども、バランスの取れた食事を続けることが結果的に健康な生活を維持することとなります。適切な栄養補給はどのような症状を持っているかによって(クローン病であるのか、UCなのか、腸のどの部位が炎症を起こしているのか)大きく左右されます。担当の医師とよく話し合い、(医師から栄養士を推薦してもらうこともいい手です)どのような栄養療法が適切か、判断していって下さい。




原文:Diet and Nutrition (CCFA)
訳:CD家族会 ノビさん
(2006年7月28日)

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